Q & A
初めて受診する場合は、どうすればいいですか?
電話で予約をとって、お出でください。詳しいことは、「診療時間と受診システム」のページをご覧ください。分からないことがあれば、電話でご相談ください。
予約なしでも、診てもらえますか?
1つの時間帯に多くの患者さんが偏ると、お1人の診察時間が短くなってしまいます。そういうことがないように、当クリニックは、原則として予約制をとっております。当日受診の場合も、あらかじめお電話での予約をお願い致します。できるだけ、お時間がとれる時間帯をご案内いたします。
「会社に出られず、休んでしまった。どうしても診てほしい…」という、初診希望の方も多くおられます。当日初診の場合は、短時間診察をお願いすることが多くなります。お電話でご相談ください。
紹介状は必要ですか?
現在、通院している病院があれば、紹介状をお持ちいただくのがベターです。前の先生の紹介状には、治療上、重要なデータがあります。
セカンド・オピニオンを勧められる時代ですので、紹介状を求められて、それを断る医師は少ないと思います。しかしどうしてもお願いするのが難しい場合は、紹介状なしでも結構です。
電話で相談することは可能ですか?
お薬に関するご質問、急に病状が変化した場合など、どうしてよいか分からない事も多いと思います。聞きたいことがあるのに、どうしても来院できない、という場合もあるでしょう。
必要に応じて、お電話で、相談をお受けしております。
診てもらえる年齢に、制限はありますか?
中学3年より年少の場合は、「児童精神科」の先生に診ていただく方が良いと思います。児童・思春期の患者さんには、特有のコミュニケーションの仕方(身体症状、行動などを介する)があると言われています。専門的なトレーニングを受けた治療者は、それに合わせたアプローチの仕方を心得ているのです。当院では、主に、高校生以上の方の診療をおこなっています。
どんな場合に、心療内科、精神科を受診すればいいのでしょうか?
「こんな相談をしても良いのだろうか?」「医師に診てもらう事ではないのでは?自分で解決すればいいのでは?…」と迷う方も多いようです。ご相談をお聞きすると、1人だけで抱えるのは困難な状況で、そう悩み続ける場合がしばしば見られます。
迷われる場合は、1回受診しても良いかもしれません。
どの位の間隔で、通院をするのですか?
最初は毎週〜隔週で受診をしていただくことが多くなります。治療初期は、病状の改善の具合、薬の種類と量の調整など、相談しないといけないことが沢山あります。そのため長い期間をあけることが難しいのです。
病状が落ち着いてくれば、もっと間隔をあけて、月1回等の通院間隔でお会いするようになります。あるいは治療が軌道にのってきて、患者さんご自身の判断でいろいろな事に対処できるようになると、「通院間隔をあけたい」と希望されることもあります。ご本人の希望を確認しながら、治療を進めてゆきます。
治療期間は、どの位みればよいのですか?
治療が長期化することについて不安を感じる方も多いようです。「薬や治療なしにやっていけなくなると、困る」と仰る方もおられます。
まず適応障害のように一時的な症状なのか、うつ病のように周期的に再発の危険がくる病気なのか等、病気の種類、重症度が関係してきます。しかし、それ以外の要因にも影響されます。「うつ」は3、4か月で「治る」と言われていましたが、たとえば結婚生活が不安定だとか、リストラされそうだ、等の外在的要因がある場合は、中々「治らない」ことになります。社会的、経済的状況で、治療経過が左右されるのです。
もう1つ、内科医が診る高血圧や糖尿病のような病気の場合を考えてみましょう。これらの病気は慢性疾患(生活習慣病)と見なされ、一般に「治る」ということは難しいのです。しかし「治らない」と言って絶望することは余りありません。生活管理(高血圧では塩分摂取のコントロール、糖尿病ではカロリーのコントロール)を行うことで、ほぼ普通のQOL(quality of life)を維持できます。精神科、心療内科の病気でも、同様の場合があります。治療は長期化しますが、症状とどう「付き合う」かによって、ほぼ正常に近い生活、人生を送ることができるのです。
いろいろな要因が絡んでいますので、気になる場合は、医師にご相談ください。
自立支援医療制度について教えてください
精神科の病気で、医療機関に継続的に通院することが必要な場合、かかった医療費(診察費、薬剤費)を公費で負担する制度があります。通常の健康保険は30%負担ですが、それが10%に軽減されます(所得に応じて、公費負担額の上限があります)。
制度の適用については、医師にご相談ください。
カウンセリングを受けたいのですが
当院では、精神分析的精神療法と、力動的カウンセリング、認知行動療法をおこなっています。詳細は、「予約の精神療法」のページをご覧ください。
精神分析的精神療法と力動的カウンセリングの差は何ですか?
1つは面接の進め方の違いです。
精神分析的精神療法では、治療者は傾聴の姿勢をとり、患者さんに、思い浮かぶことを自由に話してもらいます。これが「自由連想」です。「自由に話す」のは、簡単と思われるかもしれませんが、中々難しいものです。患者さんの自律性(悩みながら、自分の途を見つけてゆくこと)が要請されるのです。「アドバイスがほしい」場合などは、向いてないでしょう。
それに対して、力動的カウンセリングでは、カウンセラーの側が積極的に質問し、問題点を明確化し、対処法を話し合います。それを通して、患者さんが、対人関係や日々の生活をどう方向づけてゆくか、決められるように援助するのです。
一方、表面的な適応は一応できているものの、これまでの人生に「矛盾」を感じ、自分自身への不満が大きい場合などは、精神分析的療法が有効なことがあります。
カウンセリングの料金に差があるは、どうしてですか?
料金の差は、当クリニックの担当治療者の経験年数と、治療法をマスターするために受けてきた訓練に差があるためです。認知行動療法が一番安いのは、それが治療として、劣っているためではありません。むしろ、最近、アメリカ、イギリスでは、認知行動療法が精神療法の「スタンダード」と見なされるようになっています。
一般的に、「精神分析」では長期間(10年以上)かけて、スキルを習得する必要があるため、料金が高額になります。しかし認知行動療法でも、経験豊かな治療者が行うと治療費は高額になります。
カウンセリングだけを受けるのは可能ですか?
当院は医療機関ですので、並行して、医師の診察を受けていただく必要があります。
本人の代わりに家族が相談に行くことは、可能でしょうか?
患者さんご本人がいらっしゃれない場合は、ご家族自身の問題として、お話を伺うことになります。患者さんご自身が、現在の状態を「これは問題…」という風に認知しないと、医師に相談しようとは思わないものです。そういう方向にもってゆくために、何ができるかを、考えてゆくことになります。
家族(患者さん)を支えるために、自分はどうすればいいのでしょうか?
ご家族の方から、よく質問されることです。「これこれが良い」という方法はありません。むしろ困った時に、クリニックに来て、どんな状況で、何を困っているのか、教えていただけると良いと思います。
人は、何かに行き詰まると、どうしてよいか分からない問題を、周囲の方(頼りにしている人)に「放り投げる」ことがあります。すると本人の代わりに、周りが悩み、苦しむことになります。これは、困り果てた時に行う窮余の一策、「何とかしてほしい」という患者さんのメッセージと考えられます。ご家族のお話を伺うことが、患者さんを理解するために重要なポイントになるかもしれません。