精神分析的精神療法・力動的カウンセリング|予約の精神療法
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- 精神分析的精神療法・力動的カウンセリング
こころの奥のデリケートな問題は、1回、10数分の一般外来で話すことは困難です。30〜50分の時間をかけて、安定した構造(予約の枠)の中で、これまで1人で抱えてきた不安な気持や苦痛に、目をむけてゆきます。
「脆さ」と信頼感
自分に素直になろうとすると、ほとんどの人は「自分が脆くなる」と感じるようです。治療者に受け止めてもらえるのか?…分からないためです。ここで、信頼できる治療関係をもてるかどうかが、精神療法で一番大事な分岐点になります。
治療者への信頼感が深まり、「話しても大丈夫」と安心、安全を感じられるようになると、大きな一歩となります。自分を偽ることなく、正直なままでいられる空間をもてることになるからです。この中で、過去の「傷つき」を振り返り、それを「繰り返さない方法」を、治療者と一緒に考えはじめるのです。
日々の生活の中で、その空間に「戻れる」ことが、「心を落ち着かせる」ための貴重な繋留点となります。
ストレス対処法の見直し
具体的には、ストレスへの対処法を見直すことを行います。私たちは、それぞれ幼少期から身につけてきた
対人関係スキル(防衛)をもっています。これは価値のあるものですが、目の前の状況に合わなくなっている場合も多いのです。
たとえば
- 人に否定されることを恐れて、周囲の意向ばかり気にしたり
- 拒絶されることを恐れ、自分から相手を遠ざけ(拒絶し)てしまう。
- あるいは自立にこだわり、他人に助けを求められなくなる、など。
これらの例では、不安の回避を優先させるあまり、人との率直な交流や、実現可能な自己表現の機会をのがしているかもしれません(
過剰な防衛活動)。現実をあるがままに見ないと、そこから何を「引き出す」ことができるのか、分らないままです。
反対に、周りを全く気にしないのも問題で(
防衛不全)、「わがまま」と見られ、人に疎まれたり、相手が応じることのできない要求を強制し、つねに衝突が絶えず、孤立に陥ったりもします。
この両方の間の微妙なバランスをたもつために、私たちは、幼少期から学習を積み重ねて、
「性格」をつくりあげてきたのです。
対人関係スキルのマイナー・チェンジ
精神療法の中では、これまでの性格や防衛の「マイナー・チェンジ」を考えてゆきます(「メジャー・チェンジ」は、自己否定に繋がるので、すべきではないと考えます。)
自分にとって本当に大事なものは何なのか?
何を恐れているのか?
何を守り、何を犠牲にしているのか?
などについて、治療者との話し合いをかさねます。
精神療法の目標
治療がうまくゆくと、自分の「やっている」こと、「やってきた」ことが次第に「見える」ようになってゆきます。修正すべき点は修正し、その上で、いろいろな欠点や脆さもふくめて、ありのままの自己を肯定し、自分自身を尊重できるようになる。これが精神療法の最終目標です。
精神分析的精神療法と力動的カウンセリングの差は何?
目標とするところは近いのですが、(1)面接の仕方として、「自由連想」をもちいるかどうか、(2)自分を「より深く知る」ことを目指すのか、日々の生活適応、対人関係の改善に重点をおくのか、という点で違いがあります。
別途「予約料」が必要になります(
診療費用のページ)。